マグルの血

陸王のマグルの血のレビュー・感想・評価

陸王(2017年製作のドラマ)
4.8
なぜ放送当時、リアルタイムで観なかったんだととてつもなく後悔しました。非常に良作で一気に観てしまった。涙腺ボコボコにされて涙の量は過去イチです…。

潰れかけの老舗足袋屋さんが再起を賭けてランニングシューズの開発に取り組む話。日曜劇場特有の重厚な雰囲気と池井戸原作の人間ドラマが好きで、毎クールついついチェックしがちです。半沢直樹も下町ロケットも良かったんだけど、陸王に限っては段違いですね。下町ロケットよりも仕事したくなった。

なんていうか、毎回少し希望は見えることもあるけど、ホントに最後の最後までなかなかうまくいかないんです。主人公の社長もずっと謝ったり怒ったり。でも、それ以上に、ある一人のランナーに自分達の作ったシューズを履いて欲しいって想いを凄い丁寧に描いている。感情移入しちゃいますよね。ただ靴を履いただけなのに、その画力だけで泣いてしまいます。

それにしても、いい人はとことんいい人なんだけど、悪い人はとことん悪い人になってるんですよね。
こういう王道過ぎる勧善懲悪モノは、ある種苦手な人はとことん苦手だろうなとも感じました。ライバル企業も違った側面から見たらやっぱり応援したくなるような部分もあるかもしれない。切り取り方次第でいくらでも人の感想はコントロールできるから。

ですが、こういうドラマはこういうのでいいと思います。夢見させてくれてもいいじゃないか。働くことは素晴らしい、人の役にたつって素晴らしい、子どもっぽい感想しか思いつかなくても、そういう感情が生まれた時点でこのドラマ観てよかったなと思いました。
マグルの血

マグルの血