面白いは面白い。
ただ、原作から改変されている部分もあるものの、台詞から構図まで完全再現されているところも多々あるため、ゲームをプレイ済みだと今一つサスペンスに欠ける。ドラマ版では戦闘よりも喋っている場面のほうが多いため、原作にあった血生臭さのようなものが薄まってしまっている。
「普段ゲームはやらないので、映像化するなら観てみたい」という人にはいいかもしれないが、ゲームをプレイしたほうが10000倍は面白い。
自分はゲーム版の大ファンなので、戦闘シーンでは「ああ、弾が…弾が勿体ない…」とか「もっとブロックを投げろよ！」とか、一々ストレスを感じた。（ラスアスは、ブロックをいかに有効活用するかが最も重要なゲーム）
とはいえ、3話は最高に素晴らしい。個人的に好きなアリ・アッバシが撮った、8〜9話も良かった。
パート2のほうがドラマ化に向いたストーリーだと思うので、続きも楽しみ。
いまだにゲームより映画やドラマのほうが優れた媒体だと思っている人間がいるが、大きな間違いだ。
クソ映画が数多存在するように、星の数ほどのクソゲーがあるのは事実だが、世の中には映画やドラマ以上に学びや楽しみを提供してくれるゲームも沢山ある。
もしも貴方の考えが違うなら、不運にもまだそうした作品に出会っていないか、優れた作品の良さに気づくことが出来ていないかのいずれかだろう。
ゲーム版ラスアスの最も素晴らしいところは、主人公が最後に大きな決断をする際、プレイヤーも100%共感出来るよう、全体が巧みに構成されていること。
そして更に凄いのは、パート2でその決断の落とし前をつけなければならなくなり、キャラクターの苦悩や葛藤をプレイヤーも共有出来るように作られていることだ。
ゲーム版ラスアスは「まるで映画のように重厚」としばしば語られるが、やはりゲームこそ最も適した表現媒体だったのだと感じた。
