モノクロの世界に広がる石造りの街並みに反射する眩しい太陽、これぞイタリアといった美しい風景をずっと眺めていられる。
嘘を正当化するためではなく、自分はあくまでも良い人間だ、良い人間だと思われたい、という執着がすごい。
他人に取って代わろうとしているのに、すべては相手の所為であって、自分が招いた結果ではないから仕方ないと言わんばかりの、倫理的な感情に欠けたズレがリプリーのユーモアでもある。詰めが甘いのにあれよあれよと好転していく。
カラヴァッジォの絵を観て許しを乞うはずが、その狂気にすっかり魅了され侵食されてしまう。
ディッキーやその周りに存在する金持ちどもの気取った勘違いに辟易しながらも、リプリーは自分を受け入れてくれた彼を愛してたよね。
スティーブン・ザイリアン監督の脚本は芸術です。