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太陽の子 GIFT OF FIREのyou1538のネタバレレビュー・内容・結末

太陽の子 GIFT OF FIRE(2020年製作のドラマ)
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このレビューはネタバレを含みます

予告を見て「これは自分の知らない事実を知らなければいけない」と思って、もともと見るつもりでいました。

特にファンってわけではなかったが、突然春馬くんがいなくなって約1ヶ月が経とうとしても、毎日春馬くんのことを考えてしまうし、土曜日になるとあの日を思い出してしまうしで、心にぽっかり穴が空いた状態では、絶対に正気では見れないだろうと思って、リアルタイムで見るかどうか、迷いました。

でも、柳楽くんが番宣で「キャスト、スタッフ全員が全身全霊で作ったドラマです」と言っていたので、辛いけど、終戦の日にちゃんと見ました。

日本は結果的に被爆国になったけど、もしかしたら逆の立場だったのかもしれないと思うと、本当に恐ろしくて、苦しい。

3人の若者が、しっかりそれぞれの立場でそれぞれの考えを持ちながら、支え合いながら、戦時下を一生懸命生きていて、演じる柳楽優弥くん、三浦春馬くん、有村架純ちゃん、みんな本当に素晴らしかった。

素晴らしい3人の若者に対して、田中裕子の母親としての静かな覚悟がズシーンと乗っかってきて、より重厚さが増した。

春馬くんの第一声が「ただいま」だったことや、葛藤を隠して見せた家族の前での笑顔、入水シーン、「いっぱい未来の話をしよう」と悲しげに笑うシーン、戦地へ向かうシーン、最後の手紙……

一つ一つのセリフ、一つ一つの表情、全て、どんな気持ちで演じていたんだろうって考えちゃって、「ただいま」で既に涙がボロボロ出て、海のシーンでは「生きたい」って必死で訴えているように見えてしまって、やっぱり純粋に「ドラマを見る」という気持ちでは見れませんでした。

不謹慎でも何でもいいから、「ただいま」って言って戻ってきて欲しい。

そんな思いの中でも、どんどん物語に引き込まれて行って、最後どうなるのかなと思ったら、3人が終戦を知らぬままラストを迎えるという展開で、今までそういうラストのものって無かったから、心にグサッと刺さるものがあった。

終戦を知らぬまま亡くなった人が300万人もいるという事実。いつ終戦するかもわからぬまま、怯えながらも毎日を懸命に生きていた人たちがいる。

「戦争なんて早く終わればいい。勝っても負けてもかまわん!」というせっちゃんのセリフに全てが詰まっていた気がする。

ラストの「幸せですか?」に即答できない私は、当時を生きて、日本を守ってくれていた人たちにどんな顔をすればいいだろう。

とりあえず、未来に一つでも希望を持って生きなくちゃダメだ。「まだ明日を見失っちゃダメだ」という〔re:〕プロジェクトの歌の歌詞を思い出した。

柳楽くんの言うとおり、全キャスト、全スタッフが、とても真摯に、とても丁寧に、全身全霊で取り組んだことが凄く伝わってきた。

ダメだ。話が全然まとまらないや。

正当な評価ができないのでスコアは無しで。

映画にアメリカが介入することに一抹の不安はあるが、絶対見ます。
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