このレビューはネタバレを含みます
平穏な暮らしも、人を素直に愛しいと思える感受性も、何もかも全てをぶち壊したのはそちらなのにどうして、それらの後始末や心の整理をこちらがしなければしなければならないのか?という理不尽さにまず絶望する。
そしてぶち壊された側であるこちらが、苦しい苦しい整理期間を経て、ぶち壊した当の本人に力を振り絞り、寄り添う言葉をかける。
そして、それをもぶち壊す当の本人の「オムライス、まだかな」
日常で「あ、この人には何も伝わらないんだな」と感じる瞬間は多かれ少なかれあるけれども、ここまで真っ直ぐに露骨にそのシーンを描かれると、受け止めきれずにしんどいものがこぼれちゃうな、、とさらに絶望。
そしてそれを瞬時に悟ったこちら側である瑛太の爆笑しながらオムライスをかき込む姿にも、「あの時のこう振舞った自分」を思い出してさらに絶望。
絶望が畳み掛ける素晴らしい作品だった。
そして、1話1話がドラマなのに上質な短編映画を観ているような心地になった。