このレビューはネタバレを含みます
ネトフリドラマ版呪怨、おもしろかったです。
カヤコもトシオも出てこないけど、呪怨ってこんなんだったな……っていうのを思い出した。
OVAの設定を極限まで煮詰めて劇場版呪怨2の生理的な不快感を合わせたような感じで、いい意味で既視感のあるシーンが多くて初期のファンは楽しめると思う。
それでいて、一部のお約束を除いて旧作のキャラクター要素を排除してるのはかなり好感をもった。テンポもよいのでサクサクみれる。
怨みの連鎖を引き起こすのは人間的なグロテスクさ、という呪怨のオリジンに忠実すぎてエンタメとしてはアカン…っていうシーンが多い。
特に決定的においおいおいおいおいおいっていうシーンがあったね。
興味深かったのは実際の年代に即してストーリーが進む点。旧作は登場人物ごとに章分けされて時系列もややバラバラ気味なオムニバスだったが、今回はかなりキッチリと年代ごとにストーリーが進行していく
そこに毎回明らかに意図的に現実の事件の報道が差し込まれる(女子高生コンクリ、サリン、阪神大震災、酒鬼薔薇)。こう並べると昭和〜平成初期って猟奇性、異常性、混乱が世間に見える形で発露していた最後の時代なのかなとも思う
近代化の一方で異常性と怨みが渦巻いていた時代だったと考えるとストーリーに一気に説得力が出てくる。
ホラーにありがちなシュールさを時代性でフォローするのはおもしろいなと思った。