明蘭~才媛の春~の62の情報・感想・評価

エピソード62
第62話
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tanzi

tanzi

もーこのドラマ、話もすごいけど出演する役者全員がすごすぎる! この一連の流れを見てると動悸が治らん。 太医から銀杏の毒を聞いた明蘭はその夜のうちに屠二を呼び寄せ門を封鎖。 彼は廷燁が白燁の名で謝将軍の部隊に入った時に、1人情けを知る兵士だった。 廷燁は彼を見込んで自分の元に連れてきたんやね。 荘園の巡回にも明蘭に同行させてたし、石頭はともかく廷燁としてはそれに準ずる位信頼してる兵なのだね。 明蘭が泣きながら祖母に薬を飲ませるのを見ながら、こちらの心も張り裂けそう。 なぜ人はここまで愚かになれるのか。同じ屋根の下に住み口では家族と言いながら、母は林噙霜に殺されただけでない、この盛家だったからこそ殺された。 表には出さぬ心中の慟哭に胸を締め付けられる。 視聴者がそのドジぶりや素直さを愛でていた王若弗を、ここで救いようのない愚か者にした製作者の容赦なさ。 その彼女にとって最も重要な存在が実は王家から一緒だった劉さんだと分かる回。 日頃奥様と呼ぶ劉さんもこの局面ではお嬢様と口にする。そういえばこの人は何度も暴走する若弗を諌めてきた。 体面が義母の命より重い男盛紘のダメっぷりは見ちゃおれないけど、本家で辛酸を舐めた幼少の彼や本家老太太の今際の言葉を思い出すと、彼にとって『父親のロールモデル』がそういう男しかいなかったのだとも想像できる。 それこそが家父長制だけど、同じ庶子である明蘭との違いは、科挙に合格名門の嫁を娶り仕官する機会が与えられた男と、世間や家族から軽んじられその才能すら隠し続けてやっと夫という理解者を得た女との差なんやなぁ。 同様に正義を求める廷燁がいるからこそ捨て身になれた。 仮に元若や賀弘文ならどうだったろうか。 明蘭の正義を求める希求がどれ程強くても、婚家の反対に合う障害が新たに発生しそうだし、何より我を通し犯人を突き止めても、父と同じで「お前は夜叉か」とその後の夫婦間に溝を生むような気もする。 廷燁との信頼関係を生んだのは互いの正義を願う気持ちが分かるからですよね。 無責任な父に理解させる為、「王若弗に実行させ子の将来を人質に盛家を脅迫、いいように操る気だ」という康夫人の邪悪さを聞かせる明蘭。 康夫人は自分にないもの(優秀な息子や名家に嫁いだ娘と、妻を尊重する夫)を無能な妹が持ってるのが羨ましくて妬ましくて仕方ない人なのだとハッキリ分かる。 宮廷でも後宮でも江湖でもない(上級役人だけど)盛家という家庭を舞台にした意味がここにあるのだと思います。 どのキャラも現代に通じる普遍性が魅力なんですね。 康夫人の嫉妬心や墨蘭のような浅ましさも元若の弱さも盛紘の事なかれや若弗の愚かさも実は自分の中にはあると気付かせてくれる。
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らき

らき

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