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賢い医師生活 シーズン2のsoopenのレビュー・感想・評価

賢い医師生活 シーズン2(2021年製作のドラマ)
4.3
大人のお仕事青春恋愛ドラマ。

40歳前後の医大の同期がそのまま大病院の一般外科、胸部外科、産婦人科、脳神経外科、小児外科の優秀過ぎる教授として寝る間も惜しんで活躍し、僅かな休みには集まってバンド活動を楽しむ、彼らの日常をどちらかと言えば恋愛に重点を置き、描いた作品。

医療ドラマとしての重さがありながらも、バツイチだったり子持ちだったりする、人生経験も積んできた大人達がリアルな次の恋愛にどう踏み出すかをジリジリしながら見守るのが楽しい。また、スーパードクターですら治せない病に愕然とする家族のいる隣部屋では、快復に喜びの声を上げる家族がいたりする、人生の悲喜こもごもを知らせてくれるヒューマンドラマとしての役割も忘れない。非常にバランスの良いドラマだと思った。

5人もの同期の医者が同じ病院の別々の場所で教授レベルというのはあり得ない偶然だし、人間的にも素晴らしく趣味も持って生きている、彼らの部下や家族も彼らが大好きで、子供も理解のある良い子、となると最早ファンタジー、と思いながらも見るのがやめられない魅力がある。

シーズン1では、仲間以外には、頑なで心を開かないジュンワンが、イクジュンの妹と付き合ったり別れたりしながらどんどん表情が豊かに優しくなっていく様子や、社交性のなかった優しいソッキョンには、常に彼を側で見守ってきた、何度告白して玉砕しても諦めない、明るく頼もしい後輩のミナがいて、親問題も乗り越える勢いで愛が炸裂しているし、長年の親友だったイクジュンとソンファにも20年という時を経て、ようやく育てていた愛のタイミングが一致する、など、どの恋も愛も微笑ましく、シーズンを重ねた今、花開く様子に視聴者として感情移入して泣いたり笑ったり。

このドラマが他と違う所は、毎回必ずメンバー全員が参加するバンド、「恐竜稜線」が、一曲フルバージョンで演奏すること。しかも当て振りで撮影する予定が、役者達が楽器を練習し始めたので、そのまま本人達の生演奏となったらしい。これがシーズン1から見ていると、どんどん上手くなっていくのが分かる。選曲が99年入学の同期という設定に合わせたからなのか、古くて懐かしいのもまたいい。何より、ソンファ役のチョンミドがミュージカル界の女優なのに、天地がひっくり返る程の音痴という設定を見事に演じていて大笑い出来るのも、大変微笑ましい。

最後に、キムヘスク演じるロサと、幼馴染の病院の理事長が、2人で憧れのサンティアゴに巡礼に行こう、と話している姿を見て、全てをやり終えても、変わらずにこういう付き合いの出来る関係が残るのは、素晴らしいと思った。
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