Qちゃん

アメリカン・ホラー・ストーリー アサイラムのQちゃんのレビュー・感想・評価

3.7
アメリカンホラーストーリー第2弾。

まあグロテスクなこと。。舞台が精神病院っていう時点で予想はできたが、直接的なグロ度は前回を余裕で上回った。だってなんかサイコパスのシリアルキラーがいっぱい出てくるんだもん。。正直こんなエクセプショナルなグロさは要らなかったかな。

まだ第二次世界大戦の記憶も新しい60年代に、ナチスの残忍な人体実験も交えて、アメリカの負の歴史として有名な、この時代の心理学・精神科学の恐ろしいほどの未発達さと残酷さ、そのスタディにも含まれる、母子の愛情を図る有名で残酷な実験の幼少期への影響や、管理もされず放置されてリアルに心理学の実験場と化していた当時の精神病院の惨状を、まざまざと見せつける。そしてそこに絡められてくる、胸くそにも程がある殺人鬼たちの凶行と、宗教の形骸化の弊害、神と悪魔に代表される善悪の戦い、宇宙人は、、宇宙人かー。。👽うーん。。

全体として比較的キリスト教的な冒涜と諭しの方向に振り切れてたこともあって、悪魔がリアルに出て来てからは、逆に前回ほど「普通の人間の悪魔性」に戦慄することはなかった。その意味では今回は個人的には見せ物的な恐怖が先行してた。死の天使まで来るとちょっとやり過ぎにも程がある。

前シーズンに引き続き、誰しも本人なりの線引きと事情、光と影の側面があることは見せてた。シスタージュードの顛末は本作で唯一くらい光だったわ。結局キットが一番聖人だった。。😢
あと、まさかの精神病院の看守が本作では1位2位を争う人格者でした。ジュード凋落の時に彼女にかけた言葉で彼の優しさにキュンとしたよ。。ジュディの時の対応も!

ラナ、、ラナ、、兎にも角にもエミリーブラント似合い過ぎ。ジュードのジェシカラングも、メアリーユニースの女優も、Wゲス医者も、とにかくもうキャストが勝利。

てか、ほとんど倫理や道徳と宗教が結びつかないという意味で無宗教といえる日本人にとって、観てて改めて、特定の宗教圏の信心と倫理観って謎だわ。
この子は悪魔の子だとか、こうなったのは神の定めとか、自分の育て方や環境を顧みる前に神を言い訳にするやり方苦手。それで救われる件もあるんだろうけど、現状改善できる事項についてもその言い訳で他責的に放棄する思考が嫌。
結構高等教育受けてても神父や教会を信じないことは難しいとか言う民族の割に、裁判での宣誓で神に誓う癖に嘘つけるし、理由があるから神は許してくれるって自主的に例外作る感じも、「神を信じるって一体なんだ?」って改めて首を傾げちゃった。そもそも、所詮は作り物とはいえ、よくこんな内容のドラマ作ったね?
Qちゃん

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