想像力=創造力の源である妄想で繰り広げられる本作は、だが決して主人公の願望通りに繰り広げられる甘ったるい世界ではなく、むしろ妄想のなかでも傷つき、それをヒロインが時に叱咤し、時に翻弄し、時に優しく包み込んでくれる。
また、自分の頭の中でヒロインをある意味自分の思うがままにできるという危険性がある中で、瀬田なつき、枝優花、大久明子といった映画界の第一線で活躍している女性作家たちを起用することで、女性の描かれ方にも配慮している点も好感が持てる。
各ヒロインと監督の作家性によって、伸びやかさや軽やかさ、妄想がエスカレーションしていく狂気など、各話で個性が出ているが、その中でも大原櫻子がヒロインの第5話と、大友花恋がヒロインの第7話が突出した出来。いずれも瀬田なつきの才気が爆発した見事な回だ。