本作は、昨今浮上した政府の数々の不正を取り扱っており、最後の「実在の人物…等には関係ありません」という注意書きが空虚に聞こえる程、現実に沿った作りとなっています。それ故、当事者視点で、あの事件の裏にはこんな人がいたはずだと認識できる良い作品でした。
一方、終盤に近付くに連れ、段々とお話が現実から外れていきます。それを批判する向きもありますが、個人的には、誰かが声を上げ、その声を誰かが拾うことが出来ていれば、現実であのような痛ましい事件は起きなかったのではないかということを示唆していたように見え、国民が自分1人の力では何も変えられないと勝手に諦観を抱いている社会に対する処方箋のように思えました。
