無影

侍戦隊シンケンジャーの無影のネタバレレビュー・内容・結末

侍戦隊シンケンジャー(2009年製作のドラマ)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

戦隊は中盤からハマることが多いのですが、本作は第1話から引き込まれました。
中世の殿ー家臣という主従関係を現代的な個性のぶつかる群像劇にソフトリブートしたコンセプトがまず面白かったです。皆の性格や人となりが終盤までぶれないのも良かった。特に終盤戦はその試金石的な展開だったと思います。流之介なら丈瑠が真の殿ではないと分かったら掟と忠誠心のジレンマに苦心するだろうし、茉子なら丈瑠に寄り添えなかった自分を悔いるだろうし、千明なら真に惚れた男を追い求めるだろうし、ことはなら自分のこれまでの言動が殿を傷つけていたかもしれないと思い悩むだろうし、源太なら幼馴染を助けようとするだろうし。それぞれの行動原理が終始一貫してたので、皆への感情移入がしやすかったです。
また、外道衆の面々もキャラが映えててとても良かったです。ドウコクは男の色気が半端ないし、太夫は人間臭い愛情で外道に堕ちたはぐれ者らしく情感が繊細で、シタリは謀略家として老獪さを発揮して。十臓がこの世にいた時から外道でしたという展開はこの世ーあの世で二分された本作の世界観を逆手に取っていて素晴らしかったです。
評判通り、やっぱり終盤の展開は魅せられましたね。主従って、血縁や絆がなくても成り立つものではあるから、ある種フィクションだと思うのですが、「丈瑠=殿」というフィクションが崩れても5人が丈瑠を殿として選んだのはなかなか感慨深かったです。それに、お姫様がいわゆる嫌な奴じゃないのも良かった。ドウコクを封印するためにちゃんと鍛錬を積んでたし、丈瑠を想う家臣たちの気持ちを慮る器の広さもある。当主として申し分ないです。それでも丈瑠を選んだからこそ、6人の絆が映えました。
アクションも、刀縛りがあるからこその工夫が随所に見られて、面白かったです。ロボも侍を意匠にしてて格好良かったけど、サムライハオーはもう建物に見えた…笑。お城ってこと?個人的に虎折神が白くて推しです。
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