なな

俺の家の話のななのネタバレレビュー・内容・結末

俺の家の話(2021年製作のドラマ)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

プロレスラー。(長瀬智也)

父(西田敏行)は人間国宝。日本代表能楽師。
観山寿三郎。二十七世、観山流宗家にして
重要無形文化財、各個認定。
全日本能楽協会理事長。
全国に1万人以上の門弟をもつ。

親父は決して俺を叱らなかった。
一緒に悪さしても叱られるのは弟子の寿限無だけ。

年子の妹、舞と7つ下の踊介。
母さんは優しくて控えめな人だった。
控えめすぎて顔も思い出せない。

父は長男の俺を後継にしようと考えた。
4歳で初舞台、才能開花、神童と呼ばれる。
だが、決して親父は俺を褒めなかった。

親父ともっと喋りたかった。
が、親父の周りには袴姿の奇妙な大人たちがいつも周りにいた。
いよおっ、ええい、さてさて。


16の時母さんが死んだ。46歳。
親父はその年の演劇賞を総なめにして17歳で俺は能を捨てプロレス界の門を開いた。

理想の家族の姿がそこにあった。
贔屓もなく、正当な評価。

超獣ブルーザー・ブロディに憧れていたため、
ブルーザー寿一というリングネームでデビューすることを決めていた。


父親との唯一の共通会話がプロレスだった。
ブルドーザー、悪役なのに華があっていいよな。
ブルーザーだよ。
厳格な父がプロレスを見ているときだけは無邪気にはしゃいでいた。


余命半年、医者は短くいうからまぁ一年でしょう。
遺産は全てこのさくらちゃん(戸田恵梨香)に。

「お前らにはびた一文やりまセンチュリーハイアット。」

「愛してるって言われたんだぞ。
何にも聞こえない。壊れかけのradio状態だぞ。今、俺は」

妹の旦那、元ラッパー、都内4店舗ラーメン屋経営、週6で厨房。

「よく聞くと普通のことしか言ってないから。そこが好き。」
(ちょいちょい妹(江口のりこ)がそこがすきって挟むの好き。笑

(継ぎます。
25年のブランクを1週間で。。。
いくらなんでも無理やろ〜〜でも破門になったとされていた長男がいきなりひょっこり現れて継ぎますなんていうんだからそりゃお弟子さんたちも反発するやろなぁ。いくら長男でもねぇ。


「さすがレスラー、肉、生でいっちゃうんすね。」
「まぁな。」
(おいおいおいおい。笑ぼけすぎやろ。


「さくらちゃんがいるから今頑張れるの。」
お金のためだったとしてもそれで誰かのためになっている。それで誰かの生きる希望、頑張れる力になっているならそれもありなのかな。でもお金のためっていうのが切ないね。遺産、3人分も掻っ攫ってるあたり黒だけど。

「半年だった寿命を一年にした。
何もしなかったあなたたちに責める権利はないと思いますけど。
遺産目当てではありません。
けれど、貰えるものはもらいます。」
(ここまで、断言されるといっそ清々しいね。

さくらに振られた親父は10分後振られたことを忘れた。。。笑

「介護にまさかはない、肝に銘じます。」

「気を遣ってますって言わないのが気遣いじゃん。」


「じっとしてる父ちゃんかっこよくないもんね。
」(子供の何げない一言が背中を押すことってあるよね。)

「いいの?父さん、本当に無理してない?」
「無理しなきゃさ…二度と能舞台立てねえだろ。


「子供たちの前では今まで通り恋人でいてくださいね。じゃないと、かっこつかないから。あはは。」
(こういう背中に弱いんだよなぁ。私。あぁ、好きすぎる。おじいちゃん!!


「自分で広げた風呂敷の畳み方が分かんなくなっちゃった。」
(人生に悔いなしと思えるほど自分勝手に楽しく生きてきた。そう思って眠りについても2、3時間で起きてしまう。要するに死にたくない。。


(エンディングノートにかいたでかいこと。
もう一度、舞台に立つ


「能が好きな人って能がすきなひとのことしかわかんないんでしょ?なら意味ないから。」


(寿限無。能から逃げた寿一の腹違いの兄弟だった。そばで支え続け、寿三郎が病気になり、舞台に立てない間、代わりに舞台に立つが収入は1/10ほど。だからデリバリーのバイトもして一身に支えてきた。

(まさかのさくらさんは寿一のことがすきとは。。いや、スーパー世阿弥マシンがすきなのか?
じっと見つめて、「すき。」振り向いて、「すき。」
戸田恵梨香からの2連発にはやられました。。


「大丈夫?顔が怪士(あやかし)みたいだよ。」
怪士とは苦しんで死んだ者を演じるときに身につける能面のこと。


(お父さんがプロレスラーのときはプロレスラーになりたくて、お父さんが能をはじめたら、能がやりたくてやりたくて。つまりはお父さんになりたいんだと思います。なんて可愛い息子なんだろう。そして、尊敬される、かっこいいと思える父親って素晴らしいよね。

勘違いのスピード違反。

肝っ玉。しこったま。さんたま〜

奇跡は一度しか起きなかった。

(素晴らしい、家族愛だわ。

(いいこと続きで怖くなって、お前食えよ、寿一なんて戯れて数の子あげた数日後にぽっくりやられて亡くなっちゃうなんて。。まさか寿一がね。

国の宝にはなれなかったけど、家の宝だよ。

お前は、人間家宝だよ。

よっ人間家宝!

(もう亡くなっているのに受け止め切れなくて、寿一の亡霊が見えちゃうじゅじゅの気持ちが痛いほどささって、ちょいちょいコメディなのにしっかり涙が溢れちゃいました。。。

(褒めたら、終わっちゃうだろ。
だから今まで一度も褒めたことがなかった。

俺の家を頼む。

(何故か、一年後、さくらさんは踊介と結婚。
そういう意味じゃないんだけどなぁ。笑

でも、踊介さんって近くで見ても遠くで見ても変わらないですよね。

いい意味です。ちょうどいい。

俺のいない俺の家の話。
なな

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