soopen

九尾狐<クミホ>伝~不滅の愛~のsoopenのレビュー・感想・評価

3.9
チャンギヨンの『九尾の狐とキケンな同居』より一年前の作品。
人間になりたい九尾狐、過去に愛する人を失っている、という意味ではどちらも同じだけど、ストーリーは全然違いました!本作の方が圧倒的にスリラーでホラー感あり。登場人物も程よい人数で分かりやすいストーリーながらも、どうなるの?と毎回ハラハラドキドキしながら、脇カップル含めロマンスも楽しませてもらいました。

昔々、元は山神だった九尾狐のイヨン。異母兄弟のイランに慕われ、幸せに暮らしていたが、神になり損ねたイムギという強力な力を操る蛇によって、その生活は打ち壊される。イヨンの最愛の人間は、彼を守って代わりに死の輪廻の輪に。
自分を守って死んだ娘の魂の生まれ変わりを待ち続けるイヨン。
企画製作会社でPDを生業にする、ナムジアとの運命の出会い。疑いつつも、彼女には自分がつけたマーキングがない…と、興味のない人間にはとことん冷たいイヨン。半目し合う2人に化学反応が起きるまでに、そんなに時間は要らなかった…

本作の魅力はなんと言っても、イドンウクの圧倒的な美しさです!スカした髪型に細身ダブルのスーツも、過去編の九尾狐の赤の上に透ける白い羽織という、セクシーを超える上級者用の衣装をなんなく着こなし、長い髪も白い喉が仰反る角度も、計算し尽くされた美しさで、彫りの深い異国の顔立ちを生かして、クールでツンデレで、時に子供っとさも交えてキュート感も醸し出し、今まで見たイドンウクはどこへ?という魅力でした。しかもとても賢い狐なのがまた良し!ヒロインのチョボアは、顔立ち通り、真の強い一途で勇敢なタイプでしたが、今回は過去編のアウム役、イムギに体も心も乗っ取られての役、など立場の違う演技をしなければならず、それがあまり変化を感じさせなかったので、もうちょっと演技を頑張って欲しかったかな。
義母弟のイラン、これがまた歪んだ兄への愛憎を持て余して、あんなとここんなこと、色々とやらかしてくれたお陰で、窮地に立たされる兄、寝ていたイムギまで起きてしまい、大混戦だというのに、自分は兄さえ生きていれば、後は知らん、とばかりのワガママ振りに、寧ろ潔さを感じて、アッパレ!
また、イヨンと主従関係にあるクシンジュと、美しい西洋狐キユリとのロマンスや、来世出入国管理事務所(三途の川手前)の夫婦(奪衣婆と懸衣翁)の関係もユニークで温かみがあって好きでした。








ここからはかなりネタバレです!
本作を見終えた方、分かったら教えて下さい。


弟のイランが自分の命と引き換えに地獄の転生を司る王に、兄の復活を取引した場面にいて、ナムジアも泣いていた筈なのに、イヨンが復活した時に、ナムジアは、弟の犠牲については何も触れず、満面の笑みで喜び迎えて(寧ろイヨンの方が複雑な顔してた)、その後も何も語らずで、逆にイヨンが部下の獣医に、弟の最期について尋ねる、という展開だったのが、なんだか不愉快というか疑問でした。そんなヒロインでいいの?いや、これは何かカットされてない?と。獣医も何があったのかは分かりません、着いた時にはもう…と言ってたし。まぁ元々イランとナムジアは仲が悪かったけど、イランの犠牲の上にあなたの召還があるんだ、とハッキリ伝えるべきだったのでは…と思いました。イランの最期の切ない顔が今でも思い出せる位、印象的なシーンだったし…兄弟パートが切なく感動的だったせいか、ヒロイン、ナムジアの顔がイマイチに見えてしまい、ハッピーエンドでも微妙な気持ちに…
TV放送だったので、カットされた部分があるようだったら、どなたか教えて下さい🙇
soopen

soopen