よう

テッド・ラッソ 破天荒コーチがゆく シーズン1のようのレビュー・感想・評価

4.0
これもアフター6ジャンクションで宇多丸さんが絶賛していたので鑑賞。

アメフト監督がサッカープレミアリーグの監督をするためにアメリカからイギリスへやってきて、チームを導くコメディ。


2話までは、ダメチーム再生ものというよくあるタイプの話でしょって感じにしか思えず、主人公のグイグイ来る感じにも馴染めずに見てた。
その後、いつの間にか見ながら「フフっ」と笑ってる自分に気づくことが増えてきたし、吸った揉んだがあった者同士が改善されていく姿を見ていくのは気持ちがいいもんだよねってのも増えてきた。

オーナーの描かれ方も「彼女にも事情がある」ってバランス。
いちばん嫌な奴に描かれてるジェイミーも、途中で示されたとある背景を最終回で見せてくるのにはグッと来ちゃう。まあ、こいつは頭悪いだけにも見えるってバランスにも可笑しみはあるけどね。「心理戦だ」とか言ってるのとか、「いやいや、違うっつーの笑」っていう。

ジェイミーの彼女キーリーにははじめから好感。
用具係のネイトもいいし、寡黙コーチのビアードもいい。
選手たちもいろんなキャラがいてナイス。ロイの怒りんぼキャラも楽しいし、サムはかわいい、ロハス登場シーンには笑うに決まってる。

頻繁に出てくる主人公のたとえジョーク、自分は8割ぐらいわかってないけど、ほとんどの登場人物がわかってなさそうだし、いいよね。
あ、スコセッシ作品ネタは笑った。最後に出てくる作品名がナイス。

気になってたのは、この主人公の立ち振る舞いがどこまで通用するか。
前向きで善良さを常に出していくスタイルってなかなかうまくいかないことも多いのでは? って思ってると、途中エピソードで〈主人公のそのキャラについていけない人物が身近なあの人〉ってのが出てくる。
その人物と主人公の関係性にはちょっとホロッと。
主人公も苦しい瞬間があるんだなっていう。
全体を通して、主人公だけが常に何かを解決するというより、主人公が誰かを動かすきっかけを与えていく感じで解決していくってのが好感。

サッカー観るのが好きな者からすると、サッカーに明るくない監督って設定には強引さがあるっちゃある。
そこらへん描写としてはあんま見せないようにはしてるんよね。
本音をぶつけたから勝つってエピソードとか、寓話としてはありだけど、なんか都合いいなあと思う。
あと、お焚き上げの回とかも、いい話ではあるけど、呪いを解くってのはなんかなあ。
大学生チームとか、もっと下のリーグチームとかならいいのだけど、プレミアリーグのチームでこの設定とエピソードの並びってのは、少し強引さは感じちゃう。
まあ、サッカーがメインのドラマではないからってのもあるのでね。


トータルでは笑えてホロッとできる、善良系エンタメとして楽しかった。
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