れもん

母性のれもんのネタバレレビュー・内容・結末

母性(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

女友達と二人で鑑賞した。

ミステリーやサスペンスを期待して観ると肩透かしを食らうかも。
母娘の関係を軸として描かれたヒューマンドラマや群像劇として観ればおもしろかったと思うけど。
映画ポスターには「一つの事件」と書いてあるのに特に事件が起きるわけではなかったのは少し残念だった。

大地真央が死ぬシーン、山下リオが家出するシーン、永野芽郁が手を洗うシーンでは涙が流れた。
山下リオは『朝が来る』の時といい、こういう役を演らせると輝く女優。

永野芽郁が中村ゆりとの対面レスバで惜敗した時は、観ているこちらまで悔しくなった。
去り際にワインをぶっかけるくらいしてやっても良かったのに…笑
中村ゆりは登場した瞬間から怪しくて絶対に信用してはいけない女って感じで良かった。
こういう女の役を極めてほしい、というか極めている。

大地真央がどんなシーンでも美しい姿のままだったのに対して、高畑淳子はシーンによって汚い姿も晒していたのが印象的。
それは二人の女優魂の差ではなく演じている役の差なのだろうけど、一緒に観に行った女友達は高畑淳子の女優魂に感心していた。

戸田恵梨香の病んだ雰囲気と演技も良かった。

終わり方があまり良くないなと思ったら、同じく終わり方があまり良くない『ノイズ』と同じ監督だった。
監督にはとりあえず『死刑にいたる病』の終わり方を100回観て学んでほしい。笑

女には二種類いて、母親になるタイプと娘でい続けるタイプにわかれるという話があったけど、男にも二種類いるし、父親になるタイプと息子でい続けるタイプにわかれると思う。
私の母親は母親になるタイプだったけど、私の父親は息子でい続けるタイプだった。
私の人生最大の不幸は彼が父親だったことなので、個人的には、母親や父親になれないタイプの人間は子供を作るべきではないと思う。
自戒も込めて。

【2022.11.26.鑑賞】
【2022.11.27.レビュー編集】
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