織田

母性の織田のネタバレレビュー・内容・結末

母性(2022年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

湊かなえさんの原作小説既読。原作の開始〜6割程度くらいまでをほぼ忠実に再現。原作の後半4割についてはそこそこ省略が見られたものの、小説に対して誠実さが感じられる映画化だと思う。湊かなえ作品にしてはミステリー要素が(期待よりも)薄かったという感想もみた。多分そこは原作の問題。

何年か前に『MOTHER』で長澤まさみが母親役をやったのも驚いたけど、戸田恵梨香と永野芽郁が母娘役を務めるインパクトも凄い。愛能う限り大切に娘を育ててきた母親と、その母親を姑のいびりから護ろうと盾になる娘。しかし母娘二人のそれぞれに対する愛情(母性)は正しく伝わらず、理解しあえない乖離ばかりが積み重なっていく。一方が差し伸べた手はもう一方から見れば自分の身に迫る凶器であり、また一方が良かれと思って行なった提案はもう片方の怒りを買うことになる。湊かなえ作品らしく、証言形式の回想で二人の言い分の齟齬が浮き彫りになる。

このすれ違いは『母性』の一つの魅力だと思う。ただ映画のプロモーション手法が「真実か嘘か」「母という名の怪物たち」とあまりにも犯人探しのような方向に振れているのは違和感しかなかったし残念でした。


🔽感想です(ネタバレあり)🔽
https://eigakatsudou.com/archives/motherhood.html
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