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HOMESTAYのPAOのレビュー・感想・評価

HOMESTAY(2022年製作の映画)
3.8
「死にたい」は「生きたい」の叫び。
確かにそうだ...
正直期待せず観たけどぐっときた。
家族や学校のネットワークで自分だけ異色に感じたり自分が誰からも愛されていないと感じたり周りから共感してもらえないと感じたり。自分だけぽつんと取り残されているような感覚に追い詰められていく事って、多くの人が10代に感じる感覚だと思う。
未成年の内は感性が豊かな上にまだメンタルも体も出来上がってないしお金も知識も経験も少ないから対策もできず「もう無理」「辛い」と感傷的にもなって希死念慮に取り憑かれやすくもある。
それにネットワークが小さいのと「人と同じが正義」とされる多数決の世界。
学生時代は個性より協調性を重視するから、個性があればあるほど感性が豊かであればあるほど、生きにくい。
だから学生時代ってツライことも沢山あると思う。
でも案外本作みたいに実は誤解だったり思い込みかもしれないし、そうでなくても生きてさえいたら、意外に楽しい未来があったりするから、今そんな思いの若者がいるとしたらどうか乗り越えて欲しいなと思ったりした。
自分もそうだったけど社会に出てしまえばその個性や感性が確実に武器になり、きっと周りからの目も変わるだろうし同じような感性の友達もできて楽しいと思う。
自分がいなくなった後の未来を模擬的に考える事ができる本作を通じて少しでも未来をポジティブに考える学生が増えてくれる事に意義を感じる。
若者に人気の長尾くんを使う事でその分母がより増幅する事も願う。
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