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ミセス・ノイズィのPAOのレビュー・感想・評価

ミセス・ノイズィ(2019年製作の映画)
3.9
メディアの暴力。言葉の暴力。
それらは人を死に追い込む凶器だという事を改めて感じた作品。
当たり前だけどどんな人にもヒストリーがあるんだなあ..
仮に職場に苦手な人がいたとして、その人が苦手な理由も大概大した理由ではなく、仕事が遅いとかやる気がないとかちっぽけな理由はあるだろうけど。
プライベートで何かあって職場でそうなっちゃうのかもしれないっていう想像力を持つ大事さ。仕事が遅い社員の家族が病気してるかもしれない、家庭で孤立してるかもしれない。それで悩んでいるから上の空なのかもしれない。
ミセス・ノイズィが「私たちは正しい!世の中がおかしい!」みたいな事を言っていたが(まぁそうとも言えない箇所はあるものの..)確かに世の中はおかしい。と思う部分もある一方で、正しい事が必ずしも正しいとは限らないとも思う。
世の中は間違った群集心理で溢れているし、権力者が白を黒と言えば喜んで「黒ですよねぇ〜」と担ぐ連中がごまんといる世界に私達は生まれて生きているんだから。
その世界でも自分を腐らせず、そして家族を守っていかなきゃならない。
そして篠原ゆき子さんの演技が本当にすばらしく、自分勝手すぎてかなりイライラした(役になりきっているという最大限の賞賛!)
ラストはなんだか救われた気がする。
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