回想シーンでご飯3杯いける

ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

4.1
舞台になっているのはロンドンの下町。ギャンブルで多額の借金を抱える事になった主人公が友達と共に奇想天外な返済プランを企てる。一見関係のなさそうな登場人物達が練りこまれた脚本によってひとつのストリーとして見事に絡み合っていく展開が素晴らしい。

映画の中で使用されているのはJames Brown"Payback"、Stone Roses"Fool's Gold"、Stooges"I Wanna Be Your Dog"、Ocean Color Scene"Hundred Mile High City
"、Junior Murvin"Police & Thieves
"(The Clashによるカヴァーでお馴染みのレゲエ・クラシック)など。下町での生活を表現するBGMとしてバランスのとれたチョイスだと思うし、ジャンルの幅の広さは、場面転換の激しいこの映画で、パート毎の色分け役として見事に機能していると思う。

物語のオチを一言で表すとすれば"灯台下暗し"。シンプルながら視聴者をぐいぐい引き込んでいく、エンターテインメントの手本のような作品だ。監督のガイ・リッチーがブラッド・ピットを起用して作った同路線の「スナッチ」(2000年)も有名だけど、僕は生まれたてのアイデアをそのまま落とし込んだようなエネルギーを感じる、この「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」の方が好き。