MasaichiYaguchi

ダウントン・アビー/新たなる時代へのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.7
前作から1年後の1928年を舞台にした劇場版第2弾では、屋敷内でのハリウッド映画撮影と、母バイオレットがモンミライユ男爵から南仏の別荘を贈呈されたことによる騒動が、新時代到来を感じさせるドラマで描かれていく。
1928年の英国北東部ダウントンでは、グランサム伯爵クローリー家の亡き三女シビルの夫トムが、モード・バッグショーの娘の結婚披露宴が華やかに開かれている。
一方、長女メアリーは、屋敷の傷みが目立つようになったので、その修繕費の工面に悩んでいた。
そんな折、映画会社から新作の撮影に屋敷を使用したいとの申し出が入る。
高額な謝礼をもらえると知ったメアリーは、父ロバートの反対を押し切って撮影を許可してしまう。 
そしてロバートは、母バイオレットがモンミライユ男爵から南仏の別荘を贈られたことを知り、その寛大な申し出に疑問を抱いた彼は、家族と共にその別荘へ向かうことにする。
だから本作では、ダウントンのクローリー邸と南フランスの別荘という2つの舞台で並行して物語が展開する。
この2つ舞台を通して、一族の秘められた過去と、新たに始まる未来が描かれる。
先日、エリザベス女王が崩御し、ヴィクトリア朝時代から殆ど変化していない英王室も変わるような気がする。
全ての物事は変化し、世界は移り変わる。
イングランド北東部・ヨークシャーのカントリーハウスと呼ばれる大邸宅を舞台にしたグランサム伯爵クローリー家とその使用人たちの生活も時代と共に変わり、これから綴られる新たな物語に期待したい。