死んだコメディアン

グレイマンの死んだコメディアンのネタバレレビュー・内容・結末

グレイマン(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ライアン・ゴズリングが出てたので観てみた。
ドライヴの時代から彼のファンと言うことも有るけど個人的には最高な映画。本当にその世界のその人に成り切る演技をするのが彼が好きな理由。

良く有るスパイエージェント的な話なんで、組織の暗部を任務中に秘匿してしまい組織に追われる。構成的にシナリオはコマンドーのパロディだけども面白いから良し。アクションの拘りや音楽が半端なく格好いい。原作が小説なので映画だけでは語り切れ無い所とか謎が残るけども…。

ジョン・ウィックやイコライザー、ホットライン・マイアミとかが好きな人にはハマるはず。

Netflixの映画にしては最後まで楽しんで見れたし、脚本も登場人物も豪華な印象だった。物語が15年後だったり、数年前だったり、何週間後だったり、飛び飛びするので頭の整理が必要ね。見終わった感想がとにかく濃い!エンドロールで名シーンのREPLAYもしていて2度美味しい。

是非ともシリーズ化して続編を作って欲しい!!

主人公(ライアン・ゴズリング)はコードネームがSierra6と呼ばれる男なんだけど、もう名前の時点でREACHとか、NOBLEとかを思い出しそう。とにかくカッコいい。割と死にかけるけど何故か奇跡的に生きてる。周りに有るもの(消化器、ビール瓶、敵の銃火器や防具)は何でも使ってどうにかする。本当にNOBLE6とかJACKETみたい。

相棒(アナ・デ・アルマス)のダニ・ミランダがとにかく可愛すぎる。最終的にロケットランチャーを構えた姿が完璧にデビルメイクライのレディなんですが。実写化する際はぜひ彼女にオファーを…。類まれなドライビングテクニックを披露して物語終盤ではグレネードランチャーとロケットランチャーの命中精度が正確無比でスナイパーライフルも使いこなす。強力なお助けキャラ。

そして破茶滅茶なヒール役のフレディ似のチョビ髭かつ筋肉ムキムキのマッチョメンの変態ことロイド君。最後に主人公に対して人質の少女も銃なんかも捨ててかかってきてナイフでグサグサ刺すあたり完全にベネッ…アレのパロディ。

6をスカウトしたお爺ちゃんこと、フィッツロイと、その姪の少女。真の黒幕ラングレーのエリートコンビ。フィッツロイと6の元上司。登場人物は大体この人達。

■個人的に好きなシーン(※ネタバレ注意) 
・冒頭の暗殺のシーンで、子供や周りの一般人に犠牲が出る事を懸念して、銃での狙撃をやめ、直接ターゲットに攻撃仕掛ける程、周りに気を使う6なのに、物語中盤で何度も6を取り逃がしたチョビ髭が暴走して重火器を持った彼の私設部隊が市街地で戦闘を行い地元の警察や民間人に多大な被害が出てしまう。…あれ、6は繊細な人だったのになぁ…と思っていたら、かなりショックを受けてたシーンがちゃんとあった。キャラの作り込みが深い。

・輸送機で移動中にフィッツロイから6の暗殺指令の電話を受ける隊長。それを察して銃を抜く部下と、それをハンドサインで制してナイフを抜く隊長。この辺りがプロっぽくて好き。結局、6には不穏な雰囲気がバレていて消化器で撃退されるけども…。

・パラシュート無しで崩壊する輸送機から決死のダイブ。途中で敵のパラシュート・ジャックして生還。セインツロウか!(笑)

・余命幾許も無い元上司に同情の言葉をかけたら撃ち殺すと言われ、元上司の手にそっと手を重ねる6と、それをはたき落とす元上司。二人の関係の深さが知れる良いシーン。

・重火器を掃射されボコボコに穴が開くパトカーでも爆発しない辺りがリアルで好き。車はそんなに爆発しない。

・物語の中で6が見せるウィンクが絶対の安心感がある。本当に喋らないで演技するのがライアン・ゴズリングの良い所

・フィッツロイ爺の自爆に躊躇なくヒューマンシールドをするチョビ髭。彼の人となりが良くわかる良いシーン。

・『何でもない木曜日』と言うセリフで少女を落ち着かせる6。過去の回想シーンで少女を救った時のセリフ。

・ハンドサインで大丈夫って合図送る所も少女と6の過去の回想シーンとリンクする。

・物語終盤でダニにグレネードランチャーで追い詰められるチョビ髭。普通は追い詰められるのは主人公サイドのシーンなのに…。そういう所が好き。

・6とダニから機密情報を取り返したエージェント。最終的には狭義に反するからと、チョビ髭から離反し機密情報をダニに託して去っていく。プロっぽくてカッコいい。

・最後にやけに爽やかな曲が流れる中で行われる銃撃戦が印象的。

■個人的に気になった所とか謎
・6は何がしたかったのか…。最終的にはCIAの暗部を暴く事よりもフィッツロイ姪の命を優先で手打ちにしたのか?(だったら最初から情報を隠匿しなきゃよかったし、元上司もフィッツロイ爺も何の為に死んだのか…)しかしながら、後ろ盾も失った上にピースメーカーをつけた少女を連れての逃避行は無理があるような…。ある意味、人質だった少女を連れ出す事で今度はダニの立場も危うい気がする。後続が気になる!

・ダニは何で6を手伝ってたのか?キャリアを棒に振りたくないとは言っていたけども…。最初は気を使って麻酔銃を使っていたのに、最終的に味方のはずの部隊を壊滅させる手助けをして上司にロケランぶちかましてる(市街地戦で頭を切り替えたかな?)。これだけの事をした上に脅しのネタを上司に献上して何故か生かされてる。まぁ、6と二人でチョビ髭の私兵団を壊滅させる辺りかなり優秀だからか?

・殺そうとした相手なのに6が助けに来ると確信してるフィッツロイ爺。脅されてたけどもさ…でも本当に助けに来る6。空の上で殺されかけるくらいじゃ彼等の信頼関係は壊せない…のか?

・6が殺害を犯して捕まった事件の内容があんまりな感じだった。物語なんだし、もっと致し方ない感じが欲しかった。

・結局、CIA的にはどう収めたのか謎。元は6が機密を隠匿した事がきっかけだったけども…。本当にロイドに全部の罪をなすりつけたのかな?ラスボスのラングレーのエリートコンビは裁かれて欲しかっただけに後続に期待ですかね?

・口約束で6と少女、ついでにダニを生かす事にしたエリートコンビ(女)だけども、6が脱走して少女を連れ去るあたり、ロイド君に罪を被せきれてないような…。ダニがスケープゴートにされそう?

・『近すぎますよ』『つまらん』など、相手に返す言葉を使う人が敵味方に多すぎて、ちょっとくどい感じがした。特定個人が使えば、そのキャラ付に良いのにな〜と。

・どうでもいいけど、入れ墨の巨人の話は回収してくれなかったね。