きゅうげん

グレイマンのきゅうげんのネタバレレビュー・内容・結末

グレイマン(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

渦巻く陰謀、裏切り、駆け引き、手に汗握る闘い!
言うなれば『MI』シリーズを食材に『ボーン』シリーズで味を調えたような、ハイブリッド・スパイアクションです。
ライアン・ゴズリング&アナ・デ・アルマス+クリス・エヴァンスという配役で、映画的魅力を高めるマジックが起こってます。一通り戦い終わってからの「あああああ!」とか「ううううう!」とか最高。

ただしかし、お宝争奪戦のプロットは弱く物語的起伏は意外と平坦。
特殊効果満載の荒唐無稽なド派手アクションに目新しさはなく、地に足ついた格闘シーンも『ジョン・ウィック』的”様式美”には至らずに、殺陣の段取りがふと感じとれてしまう瞬間も。ドローン撮影も「ああ、試してみたかったんだろうな」程度しか機能しておらず、躍動感だけが目的になってる。
なにより組織内の陰謀や政治的な駆け引きが物語の骨子に絡む最重要課題でありながら、登場人物の関係性の機微が敵味方かかわらずボンヤリしてるのは、いかがなものか。スザンヌとかミランダとかローンウルフとか、面目躍如の働きかくやと動かし甲斐のある美味しいキャラクターのはずなのですが。

まぁでも、豪華な出演陣によって唯一無二のスパイ映画シリーズになりそうなので期待です。『MI』よりは少し大人な、でも『ボーン』ほどシリアスはなく、『007』みたいに高尚じゃなくていいかな……、ってとき口に合う作品になってくれたらうれしい。
それにどのスパイ映画よりいろんな国を股にかけてるのは好印象です(……と思ったけど、いろんな人がいろんなところに散らばってるだけかも?)。
一番ビックリしたのは、様々な高級車ブランドが贅沢に使われてること。