ちろる

めぐりあう時間たちのちろるのレビュー・感想・評価

めぐりあう時間たち(2002年製作の映画)
3.9
この物語の主人公は周りからも羨ましがられるような生活をする3人の女性。
1人は1923年に生きる女流作家ヴァージニア ウルフ
2人目は1952年に生きる主婦ローラ ブラウン
そして3人目は2001年に生きるクラリッサ ヴォーン

一見恵まれて何不自由のない生活に見える彼女たちにもそれぞれ闇があり、彼女たちはその空虚な心が満たされない理由をちゃんと知っている。
周りはみんな大切にしてくれて、愛してくれる人もいるから助けてとは叫べなくて、ついつい空っぽな笑顔を振りまいてしまう。

心の闇の扉をこじ開けるような「ダロウェイ夫人」に翻弄され、やがてヴァージニアの死は遠く時間を超えて女性たちを心の開放へ導いていく。

この世は何かと窮屈だ。
女という立場ゆえに女性らしさや、母性や、妻の立場に縛られてしまう現実世界。
そしてそこの窮屈さから脱した先に何があるのか。
しかし、残された者たちにはきっと苦悩や寂しさや後悔は永遠に残る。
彼女たちはなんて身勝手なことだろう。
そう思うのに自分で自分の運命を決める彼女たちがどこか羨ましいと思うのだ。

あなたはこのだれかにあてはまるのだろうか?
同じ立場の人は居なくても、この物語の誰かのなんらかのセリフにドキッとさせられる人も少なくないだろう。

「後悔していると言えたらいいのに。」
世間の思う「女」しての役目を果たさなかった後家族を不幸を残したローラ ブラウンの言葉は私の心を深くついてしまった。

主役3人の存在感のある演技はどれも期待以上に素晴らしかったが、実はトニ コレットの表情だけの演技から目が離せなくて、今も目の奥に焼き付いている。