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シンシナティ・キッドの午後のネタバレレビュー・内容・結末

シンシナティ・キッド(1965年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

エドワード・G・ロビンソンの貫禄たっぷりの佇まいが映るだけで画面が引き締まる。服の着こなし身のこなし方が余裕があって格好良い。ザ・マンの称号は伊達じゃない。あの迫力満点のポーカーフェイスを前にした自分を想像して、勝負師にはなれないとはっきりと悟った。画面の前に座っていただけなのに勝負から降ろされてしまった。
血気盛んで堂々としたマックィーンも、期待通りのマックィーンという感じで良かった。何着ても似合うな。
世紀の名勝負が恋愛関係の揺らぎと、イカサマの陰謀によって散々焦らされた挙句、最後は実力勝負に持ち込まれるところがテンション上がる。主人公が大勝負の末、年季が入ったベテランの底力で呆気なく負けてしまうという展開は新鮮で良い。
闘鶏場にいる食べ方が汚いおっさん、キッドにしょっちゅう勝負を挑んでくる路上の少年、恋人の実家の無表情なお母さん等、出てくる人たちがみんな印象深い。闘鶏の映像を初めて見た。キッドが恋人の実家でせがまれて得意のマジックを披露するシーンの幸福感に嬉しくなった。スペイン軍に包囲された村の女たちの話とか、オープニングの華やかな葬列とか、ちゃっかりキャブ・キャロウェイが出ているところとか、妙に細部の描写が印象に残ると思ったら、『月の輝く夜に』の監督だったのか!ノーマン・ジュイソンのこと好きになった。
鮮やかにトランプを捌く手つきをじっくり見せてくれるのも嬉しい。あの扇状に広げたカードを一度に全部ひっくり返す技、格好良いのでできるようになりたい。
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