吃音を抱え他人とのコミュニケーションがはかれない青年・瑠衣は 失踪した母の借金返済のために働き詰めの日々を送る。 鬱屈した日々の唯一の支えは少年時代に出会ったバンパイア・愛杏との思い出だった。 愛杏もまた過食癖のせいで家族を食い殺した過去に苦悩しながらも 少年瑠衣との交流で孤独を紛らわしていた。 数十年ぶりに再会した二人は、出会いの地である廃屋へ帰る旅に出る。 思い出に浸り、苦しい世界から逃げるためだった。 しかし旅はひとつの疑念がきっかけで思わぬ方向に動き始める。 二人にとって帰るべき場所はどこなのか。 苦しみから救ってくれるのは誰なのか。