もとまち

デイ・オブ・クライシス ヨーロッパが震撼した日のもとまちのレビュー・感想・評価

3.8
テロ側・警察側共にバカな人間が一人も出てこないのが素晴らしい。感情は抑えて、何があっても喚かず取り乱さず、其々が其々の持ち場で目の前の事態に黙々と対処していく。背後関係を最低限のドラマで描きつつ、準備→実行→逃走→追跡とキャラクターの行動をストイックに突き詰める硬派な構成。かなり理想的なプロフェッショナル映画だ。大勢の登場人物や複雑な組織図を手際よく整理し、サクサク話を進めながらも観客を全く混乱させない編集に何より感服する。明確な解決は成されず、指示を下したと思しき黒幕も画面に一切写されないまま、最後に導き出される結論は「生き残れただけマシ」...。敵地からかろうじて逃げおおせた所で、仕事人である主人公にはまだまだ次の現場が待ち受けている。渋味残るラスト。銃撃戦がやや単調なのと、急にB級アクション化する終盤にいまいち乗り切れなかったのでちょい減点。
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