とぅん

渇水のとぅんのネタバレレビュー・内容・結末

渇水(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

日照りが続いて給水制限が敷かれた前橋市を舞台に、滞納者の水道を止めて回る市役所職員とネグレクトを受けてる姉妹の視点から描く「水」を考える作品。

全編に流れる市役所職員は辛いよ、っていう描写が見た事ない切り口だなと思ったし、ネグレクトを受けてる姉妹の描写は厳しさが足りないような気もするが、苦しい場面の連続でなかなか良かった。

最後は小さな抵抗として主人公がブチギレて姉妹を連れ出して、勝手に水栓開けて公園で水浴びして辞職するのだけど、まぁそういうオチになりそうだなぁと思いつつも、それまでの過程が割と深刻で個人的には興味深く観られた。

最初に若手職員が放つ、「太陽も空気もタダなんだから、水もタダでいいんじゃないっすかね」的なセリフがこの作品のコアな気もした。

心が死んでるような主人公を、生田斗真が今まで見た事ないような演技で見せていたな。
それに、もはや3番手ぐらいにいると安心の磯村勇斗や、出てくるだけで深刻な空気をもたらす門脇麦も、シングルマザー役でよく出くわす尾野真千子も出てて盤石すぎた。

あと、エンドロールで流れる曲渋くていいなぁと思ったら、向井秀徳だった。どうりで。
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