ダイヤモンド

渇水のダイヤモンドのレビュー・感想・評価

渇水(2023年製作の映画)
2.5
岩切さんは本当は とっくにわかっている気がして...
また一つ 水道を閉じていくごとに自分がだんだん変わってっちゃうって...
とっくに感じているはずだって_。

日照り続きで給水宣言が発令された真夏の群馬。
前橋市水道局に勤める岩切は今日も、支払いが滞っている市民の水道を閉じる車を走らせる。
滞納しているにもかかわらず、悪態をつく市民。
「規則ですから」
あくまでも私情を捨て、仕事に対して忠実に務める。

そんなとき、訪れた小出宅。娘二人を育てる母親もやはり滞納しているという引け目などないかのように、金を払わずに家を後にする。幼な子二人を残して。

「お父さんが帰ってきたら、ぜ〜んぶ元通りでしょ」
「いつ帰ってくるの」
「今度、雨が降る頃かな」

そして二人の元に”お父さん”が帰ってきた。
突然の雨とともに。

この映画、家族、親と子の話。
実は岩切も家庭問題を抱えていたのだ。

地味な印象の映画だけど、芸達者を揃えた良作。
主演の生田斗真、その後輩の磯村優斗、とうが立った女性を演じた門脇麦、そしてその娘役の二人。驚きはないけど、安心して観られる人間ドラマです。