あんがすざろっく

メタモルフォーゼの縁側のあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)
4.0
明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。


三が日の仕事を終え、4日間のお休みを満喫していましたが、一昨日から発熱しまして、病院に行ったらインフルエンザA型であることが判明。
今は熱も落ち着いてきました。
僕毎年のように罹っている気がするんだけど、免疫力が低下しているんだろうか…
ただでさえ虚弱体質なもので。
規則正しい生活が一番だとは思いますが、仕事上それは難しい😓
免疫力を上げる有効な方法をご存知の方、どうか教えて下さい。

そんな訳で、家の一室で隔離中(奥さんと子供は大丈夫みたい)、もともと年始の1本目はこれと決めていたので。



二人を繋いだのは、BLだった。

夫の3回忌を終えた市野井雪は、たまたま立ち寄った本屋である漫画の表紙に心惹かれる。

「綺麗…」
迷わず雪は漫画をカウンターに持っていくと、対応したアルバイトの佐山うららはビックリしてしまう。
その漫画の内容を、うららはあまりにも知り尽くしていたからだ。

この出会いをきっかけに、二人は絆を深めていく。



「可愛い響きよね、ボーイズラブ」。
雪は何の先入観も持っていなかったから、その絵の美しさに惹かれます。
いざ読み進めると「あら〜」ってなってしまうんだけど、それでも彼女は偏見を持たないし、むしろのめり込んでいきます。
彼女の私生活から、どうしてその表紙に惹かれたのか、素直に伝わってくるんです。

方やうららは、BLを愛読しているものの、それをひた隠しにしています。
ひょんなことから、クラスメイトの間でBLが流行り、話が盛り上がっているのに、その中に入っていけない自分。
本当は一杯話がしたいのに。

「ずるい…」

そんな中でうららと雪は出会い、お互いの趣味を通じて繋がっていくのです。

「私たち、晴れている人と降っている人ね」
17歳の女子高生と、75歳の老婦人。
BLは悪魔で入り口であり、やはりこれも人と人との繋がりを描いた物語でした。


雪を演じたのは、宮本信子さん。
少女のような好奇心と乙女心を併せ持ちながら、若い友達ができたことで浮き立つ気持ちを、上品に演じています。

うららを演じたのは、芦田愛菜さん。
どこか鈍臭い歩き方が絶妙で、いつも間際で二の足を踏んでしまう感じ、それでも徐々に前のめりで前進していこうとする姿がいいですね。

うららの幼馴染の男の子は、どうも煮え切らなかったですけど。



ちょっと思ったのは、うららがBLを読んでいることをひた隠しにしているじゃないですか。
これに対してのアンサーの表現が、なかった気がするんですよね。
「えっ、BL読んでるの?」っていう反応。
そこで、うららの葛藤やモヤモヤが、薄くなっていたように思うんです。
いや、もしかしたら、今の若い子達は、素直に受け止められるのかな。
雪が絵の綺麗さに惹かれたように。


最近よく耳にするブロマンスって言葉、
あれはbrotherとromanceを掛け合わせた造語なんですね。
男性同士の特別に親密な関係のことを指すのだそうですが、そこに恋愛感情が入ってくると、ボーイズラブになる。
ブラザーフッド(兄弟愛やその間柄)なんて言葉もありますね。

で、そのブロマンスの対義語はあるのかな、と思って調べてみたら、romanceとsisterを合わせて、ロマンシスになるそうです。

この作品は、BLを描いていながらも、年齢の差を越えたロマンシスでもあったんですね。

劇伴も味があり、とても素敵な作品でした☺️

そうそう、雪の元に習字を習いに来ている男の子が「画数の多い漢字が好き」っていうのも良かった。
終盤それがいい具合に効いてきます。
しかし小学生で「鬱屈」って😅

BLは読んだことないですが、ブロマンス映画は大好きです👍


昨年のベストムービー載せたかったんですけど、それは次の機会に。
皆さん、インフルエンザにはくれぐれもご注意を。
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