Sasada

ハケンアニメ!のSasadaのレビュー・感想・評価

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)
3.6
とても上手で隙のない映画でした。評判良いのも納得。

ライバル作の監督とプロデューサーという違いを乗り越えて影響しあうシスターフッド(最初から“斎藤監督”と呼ぶのは彼女だけ)

ミソジニー蔓延る男社会に突きつける拳(前野くん嫌なやつだったねえ)

“オタク”と“リア充”に止まらない他者理解

他者と関わりチームになる見せ方の妙(相手によってコミュニケートの方法変えるよね)

視聴者代表を1人に絞って近くに置くこと(太陽くんに幸あれ)

覇権とはなにか?という問いへの射程の長いアンサー(大手だからこそというのも良い)

人事部上がりのあの人が秘めた思い(ズルいぞ柄本佑)

キャラクターは多いながらテンポ良くまとまっていてテクニカルな面では文句なしに素晴らしいと思うんですが、お話の根幹自体に致命的に乗れない。

詰まるところは「金も時間も人も足りないけど好きなもののためにみんなで努力すればなんとかなるぜ」って話だし、“イケメン”と“可愛い女の子”は惹かれ合うよねって話なのがとてもノイズ。
分かりやすくデフォルメされたテレビ局のお偉いやら電車内の乗客やらイベントの観客は見ててうっすら恥ずかしい。

特に1点目については、それを言っちゃあおしまいよってのは思うんだけど、でもだからって開き直って美談にして良い話ではないとも思うのです。

あとキャストは皆良い。吉岡里帆も尾野真知子も中村倫也も、そして何より柄本佑も。
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