木蘭

1950 鋼の第7中隊の木蘭のレビュー・感想・評価

1950 鋼の第7中隊(2021年製作の映画)
1.5
 長く辛い戦いだった。誰もが一刻も早い終戦を願っただろう。劇場で・・・。

 中国が史上最大の予算を掛けて朝鮮戦争の重要な戦闘「長津湖の戦い」を描いたというのだが、そこに至るまでが長い長い・・・全く劇映画として焦点が定まらず、テレビシリーズを3時間にまとめた再編集劇場版かと思った。

 しかも、違う監督作品をつなぎ合わせたかの様な統一感の無い作風。
 カメラが動き回り無駄にCGを多用してチャチで作り物感満載の前半、カメラの動きもCGも減るがやたらと画面分割をする中盤、CGは減ってオーソドックスな映像づくりをする終盤・・・とまるで違う作風に、テレビシリーズ再編集劇場版疑惑がつのる。
 監督が複数いるのか?と思ったら、本当に3人で共同監督を務めていた。監督がリレーするオムニバスでは無いとの事だが、本当か?と思ってしまう。

 中盤の戦闘シーンは迫力があるが、長い。人間ドラマも陳腐だし、劇画の様なヒロイック演出で語る英雄譚なのは構わないのだが、リアリティに欠けるし、チャチだし、何より雑。これじゃ、怒って烈士も墓から出てきちゃうぞ・・・。

 米中対立の時勢をかって、朝鮮戦争なのに朝鮮軍も韓国軍も出て来ないし、ソ連に至っては存在すらしていない・・・というのは今風の朝鮮戦争物の中国映画なのだが、毛沢東親子が英雄的に描かれるのは、政治的に色々と考えさせられる。

 金も人もかけ。多くの映画会社も関わった一大プロジェクトが故に、訳の分からない事になっちゃったんじゃ無いかな・・・。

 こんな作品だけど中国の歴代興行記録を塗り替え、今年は続編も公開されるとか・・・マジか!?
Σ(°□°;)
木蘭

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