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1950 鋼の第7中隊のNowLoadingのレビュー・感想・評価

1950 鋼の第7中隊(2021年製作の映画)
3.4
 本日の一本。

 ダンテ・ラム監督作品の濃厚オペレーションアクション好きなので鑑賞。3時間あるがドラマパートは30分であと2時間ずっと戦いっぱなし。だから話なんかどうでもいいからとにかくアクション見たいよって人にはいい映画か。

 朝鮮戦争を中国側の視点で見ることってまずないのでこういうのはある意味貴重。極東国家は戦後に立国した関係上日露戦争のように勝利したっていう争いがまずないのでこういう勝ったかな?みたいな題材でもまぁいいかみたいになるんよね。(劇中で言う「新中国」は中華民国のフォローだったから日帝との正面衝突が表面上ないため)アメリカ軍を押し返したとエピローグ入るけどそこで打ち切る強引さは嫌いじゃない。日本なら必ず壊滅エンドまで入れないといけないので。

 国策映画なので差し込まれるプロパガンダは気にならない(毛主席の唐突なカットインは無理矢理感あり)が、どうも西側映画と異なるのがヴィランが弱いこと。この場合の敵は当然アメリカ軍(劇中の第七歩兵師団)なわけだがセリフだけで太平洋戦争を経験したベテランと言うてもそれはセリフだけで実際はただの的である。

 アメリカ映画や韓国映画なら必ず倒すべきヴィランが魅力あふれる存在として描写され、自軍である第7中隊との死闘がなければならない。それがエンタメというもの。本作はこれらがなく、いうなれば敵将なき真・三國無双である。面白いし爽快感はあるけど達成感はなし。勿体無いところだった。どうせ3時間やるならその内の30分位はアメリカ指揮官の有能さ、嫌らしさを描いてもらえればもっと高得点であった。

 とはいえ、中国の力を見せつけるCGとハデな爆発はマネーイズジャスティスだ。これはそうそうみられないものだし、見て損をすることはなかった。
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