サミー

冬薔薇のサミーのレビュー・感想・評価

冬薔薇(2022年製作の映画)
2.7
劇場公開時に鑑賞。
レビューは大分おそくなりました。



親の心、子知らず
理解したのはつもりで、実はな〜にも理解なんかしちゃいない。

「作り」
正直なところ、面白いです。
ドラマがよく出来ています。
物語は、ほとんどありません。あっても特にあげるものはありません。ミニマムなもの。
ただし…
伊藤さん演じる人物と永山さん演じる人物が最初から最後までゴミのまま。成長なんか何にもしないし、他人を想いやることもしない・出来ないまま。
ここを受け入れることが出来るがどうかだと思います。



主人公は誰なのだろう?
エンドクレジットで1番最初に出てくるので、伊藤健太郎さん演じる若者が主人公なのだろう。
彼を主人公だとして、その視点から映画を見ると…
どこに良いところがあるのかが不明に思える映画。
彼は最初から最後まで、ダメな奴。
はっきりいって吐き捨てるレベルの哀れな奴。
同情出来る点や感情移入が出来る点が、という話をすると、このくらいのことはほとんどの人間は経験しつつも、ほんの半歩だとしてもなんとか前に進んでいる。そうやって生きている。
彼は最後まで自分の意思で進まなかった。
大体が、自分のことばかり考えていて、特に身内以外の他人のことなんか実は考えてはいない。
根本がわかっているのだろうか?この手の人物には、皆が離れていくのではなくて、皆がそばにはいないのだ。そばにいるのを嫌がるし怖がっているのだ。
だからいるのは共依存や利用する人ばかり。
誰も周りにいない・寄ってこない人物でも、なんとかしっかりと生きている人は世の中にたくさんいる。
言っていることが、まるで常識外れなことばかりかつ、本人がそれに気がついていかいorそれをカッコイイと思っている。
20代ってこんなものか?
否。大小、誰でも若さによる愚かさ・足らなさはあるけど、大半はなんとかやっていっている。
つまり彼は…正解には彼と永山瑛人さん演じる人物だけは、なんともやっていけてはいない。


小林薫さん演じる父親役がとても深い。彼こそがというくらいに。こちらは主人公ではなく主演といったところ。
で…
父親及び助演者たちの視点から見ると…
人間の不器用さややるせなさを見事に浮き彫りにして描き込んだ映画。



「感想」
まじめに生きる。かっこいいとかまともがいいとか、そんなことをいうつもりはない。
でも、ただなんとかでも、しっかりと生きていく。
犯罪はやはり違法なのだ。
でも、最近ではそれを他人、特に若い人に言ってあげられなくなっている現実がある。
まともに生きていて・生きてきて、未来が見えなかったり生きていけなくなったりが多々ある。
犯罪に手を染める人が「やるのは生きる為だ」と言う子がいたなら、正直なところ、返せないことが多い。
だってまともに生きてきて、暮らせていけなくなっているから。
お金が全てじゃないけど、ないと生きてはいけないし、あればあるほど物に飢えなくていいのは事実。
う〜ん…
サミー

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