滝井椎野

RRRの滝井椎野のレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
5.0
圧倒的パワフルさ。すべての場面が予想を軽く超えてくる。これを言葉にするのは不可能だと分かってはいるのだが、それでも語らずにはいられない。

オープニングから既にクライマックスの本作、特にRRRが揃った瞬間の感動たるや……。そんな興奮が3時間絶え間なく続くのが凄い。最初の人間団子からの生還や虎との死闘、橋からの子供救出……これだけでまだプロローグなのだから、もう意味がわからない。思い出す場面場面を人に説明しても、それが一本の映画内に起きる出来事だとは信じてもらえないのではないだろうか。またそれの美味いこと美味いこと……。余裕でカロリーが限界突破してしまう。それだけ密度が濃かった。

全体的に繰り広げられるアクションの数々は「そうはならんやろ……」のオンパレード。だが、それを納得させられるだけの勢いがある。肩車アクションや、ランボー顔負けの森林無双。ビームとラーマ、二人ともが一騎当千の為、周りのザコ敵が気持ち良いくらいに飛んで飛んで飛びまくる。戦国無双を地で行く姿に、男泣きを我慢できなかった。

また、このビームとラーマの友情が素晴らしい。共に野を駆け、肩車をしながらのスクワット、恋の面倒を見てやるラーマ兄貴に、心から慕うビーム。ここだけみると、爽やかな青春もののようである。そんな中のすれ違いに次ぐすれ違い……。全ては予定調和であるのだが、両雄が肩を並べて戦う姿の待ち遠しいことこの上なし。そこからの終盤である。全身の血が煮え滾り、拳を突き上げたくなること間違いない。
特にラーマの変わりよう。ラーマ神が乗り移ったかのような姿(実際、ビームの献身的な治療とコーディネートでまんまの姿になる)は神々しく、アクションは文字通り神がかっていた。久しぶりに再会したシータはさぞや驚いたことだろう。

語りだすとキリがないが、間違いなく聞くよりも観ろ! の作品である。これを映画館で観なければ間違いなく後悔するので、全人類(イギリスの人が観ると気を悪くするかもしれないが……)に観てほしい。
滝井椎野

滝井椎野