ちゃい

RRRのちゃいのレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
3.0
楽しかった。あっという間だった。ただ、モヤモヤを放っておけず、エンタメとして無邪気に楽しみ切れなかった。というのが正直なところ。(追記:モヤモヤを抱えてる人もいると知ってちょっと安心)

どんなに楽しいかということはきっと色んな方が語っているので、ここでは省略。とにかく歌と踊りが最高。なにあれ一緒にやりたい。

【以下ネタバレ含みます】

モヤモヤしたのは、悪と正義にニ分し、悪を倒してスッキリうれしい!武器もみんなで手にしたぞ〜!で終わるところ。

もちろん、植民地支配という文脈上、英国が悪役、インドは善良な犠牲者、という構造は飲み込める。人種の違いによる差別は今も昔もあってはならないことだ。それぞれの要素に誇張があり、そんな前提はみんな分かった上でエンタメとして楽しんでることも分かる。

のだけど、、、

善悪を二分して、どちらかを倒し、これからも武力で戦い続ける、という終わり方じゃあまりにも救いがないじゃないか、と悲しくなってしまう。ビームによって非暴力の平和活動の可能性も示されたのに。「大事なのは結果ではなく過程。そこに思想が現れる」(このシーンで漫画『チ。』を思い出した)と主張するならば、武力で戦い続けると決めたことこそ、過程であり思想ではないか。それとも、この結末も含めてブラックジョークであり皮肉なのだろうか。

Ifの物語だからこそ、物語の力で、人々が互いを信じられる未来の可能性を語ってくれたらな、という個人的な願いがありました。
ちゃい

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