ぼとる

ヘルドッグスのぼとるのレビュー・感想・評価

ヘルドッグス(2022年製作の映画)
4.4
復讐に取り憑かれた元警察官・兼高は、警察から関東最大のヤクザ組「東鞘会」に潜入捜査し、警察の秘密ファイルを盗み出すという任務を与えられる。東鞘会の内部混成部隊「ヘルドッグス」の一人で、兼高とのコンビ適合率98%の室岡とコンビを組み、ヤクザ組織でのし上がっていく。

『孤狼の血』のようなドロドロのヤクザアクション映画かと思いきや、『ジョン・ウィック』的なエンタメ色強めで、濃い人間ドラマが美しいアクションクライム映画でした。すごく面白かったです。
組織内部からぐちゃぐちゃにしていく感じは『仁義なき戦い』っぽさもあるけど、あれよりアクションと色気がある感じ。
世界観が個人的にすごくハマりました。

シーンの一つ一つの、絵画のような美徳ある演出。カメラ角度とロケ地、インテリアのセンス。好みすぎる。
アクションの迫力、登場人物同士のドラマとストーリー構成、最後のオチも申し分なし。

岡田准一×坂口健太郎の化学反応がすごい。冷静沈着で淡々と敵を地面に這わせる岡田准一のアクションと哀しげな素振り、目と挙動が完全にイっちゃってるが、歪んだ正義感を滲ませている坂口健太郎の演技。それぞれ個人でも充分なのに、組み合わさるとより映画全体と彼らの絆に深みが出てくる感じがグッときました。潜入捜査だけど、お互いの心が通わせあった、二人の絆を魅せる路地裏の雨のシーンが良かった。

室岡が一勢力の組の頭である三神をトイレでボコボコにするシーンがお気に入り。
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