けーはち

ヘルドッグスのけーはちのレビュー・感想・評価

ヘルドッグス(2022年製作の映画)
3.5
復讐+潜入捜査官モノ。このジャンルにしてはストーリーより濃い個性を放つ変人キャラの乱立+様々なシチュエーションで繰り出される岡田准一のハードでキレの良い活劇+イケメンヤクザたちの疾走感のある恩讐と愛憎の殺し愛・ホモソーシャルなブロマンス一丁、という潔いエンタメヤクザ映画となっている。カルト宗教2世の心が壊れたサイコボーイ坂口健太郎の存在に加え、要所で出てくる十字架と教会つまり己の犠牲をもって救世主たり得る男イエス・キリストの意匠も散りばめてあるが、非キリスト教圏の日本人には単にカッコ良い洋画を真似たコスプレのよう。それもまた潔し。音楽はヴァイオリン・二胡奏者の土屋玲子。重低音にぶ厚い弦楽隊、哀愁のフラメンコギターで暗い復讐劇をマカロニ西部劇風味に纏めて、ホーミーやタブラなどのエキゾチックな響き、ヒップホップ的なラップや編集を加え、今風の国籍不明ワールドミュージックの香料を一振りしたサントラが鮮烈な印象。