シネラー

名探偵コナン ハロウィンの花嫁のシネラーのレビュー・感想・評価

4.0
毎年恒例のコナン映画最新作、
個人的に昨年は延期で期待値が
上かっていただけに肩透かしを受けたのだが、
本作に関しては近年のコナン映画で
一番の傑作だと思った。

物語としては、
3年前に降谷零(安室透)らが関わった事件
と同一の爆弾犯を阻止する為、
渋谷のハロウィンを舞台にコナン達が
犯行を明らかにする内容となっている。
コナン、捜査一課、公安、ロシア組織
とそれぞれの接点から事件が展開していき、
過去の事件から現在に至るまでの
全ての事件の繋がりと
全貌が明らかとなるのは見事だと思った。
今回のメインとなる安室を含めた
警察学校組が回想で活躍していくが、
その活躍が最後までコナンを手助けする
ような形で活用されていくのは良かった。
今までの劇場版であまり描かれなかった
高木刑事と佐藤刑事の恋愛劇も描かれており、
抜け目ある高木刑事だからこその
色恋展開とそのオチは面白かった。
音楽に関しても印象的で、
長年に渡りコナンの音楽を手掛けていた
大野克夫から菅野祐悟となっていたが、
それが本作の刑事物のような雰囲気と
楽曲が合わさっていて良かった。
そして楽曲といえば、
あの挿入歌の復活は何よりも嬉しかった。

しかしながら、
犯人自体は容疑者が少ない為に
察してしまうところではあったので、
その点では惜しく思えてしまった。
又、終盤に探偵団が活躍する場面は
昔のコナン映画のような雰囲気で
好きではあったが、
結局は例年描かれるサッカーボールを
膨らませる展開なのには
少々物足りなさが感じられた。
加えて、ここ数年のコナン映画で
蘭が目立ったヒロインになっていないのは、
どこか個人的に寂しく思うところだ。

人気キャラクターの活躍を
前面にしながらも、
上手く謎と謎が繋がるミステリーで、
関連する原作エピソードも改めて
見たいと思わせる良い映画だった。
来年も大いに楽しみに待ちたいと思った。
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