ぶみ

ダイ・ハードのぶみのレビュー・感想・評価

ダイ・ハード(1988年製作の映画)
3.0
地上40階!超高層ビルは戦場と化した!

ロデリック・ソープが上梓した『Nothing Lasts Forever』(邦題:ダイ・ハード)を、ジョン・マクティアナン監督、ブルース・ウィリス主演により映像化したアクション。
別居中の妻に会うため、妻が務める会社のクリスマス・パーティに出席した主人公の刑事が、金庫に保管されている債権を奪おうとビルを占拠した武装集団と対峙する姿を描く。
映画好きなら、誰もが一度は耳にしたことがあるであろう本作品なのだが、アクション好きを自認しておきながら、恥ずかしながらの初鑑賞。
主人公となるニューヨーク市警の刑事ジョン・マクレーンをウィリス、マクレーンの妻ホリーをボニー・ベデリア、武装集団のリーダーをアラン・リックマンが演じているほか、ハート・ボックナー、ジェームズ・シゲタ、アレクサンダー・ゴドノフ、レジナルド・ヴェルジョンソン、ポール・グリーソン、ウィリアム・アザートン等が登場。
物語は、ビルを占拠した武装集団に立ち向かうマクレーンの姿を中心に展開するため、舞台はほぼビル内であることから、ワンシチュエーションものといっても過言ではない。
今となっては、同じような作品が数多くあり、既視感満載な展開を見せるのだが、公開当時、アクション映画と言えば筋肉ムキムキな主人公が、あり得ない状況で無敵ぶりを発揮するのが定番であった中、市井の人とも言える主人公が、これまた今までにはなかった知性を感じさせる悪役と対峙していくのが斬新な設定であるとのことであるため、本作品は、アクションものを再定義させた金字塔と言えるもの。
そう考えると、前述のように、展開自体は今となっては既視感満載なのだが、裏を返せば、その既視感を作りだしたのが本作品であるとすると、それはそれで感慨深いし、似たような作品群における敵からの銃弾が当たらない主人公は、まさにダイ・ハード(=なかなか死なない)。
新たなジャンル映画を確立した本作品を、なぜ今まで観てこなかったのかが、我ながら不思議であるとともに、髪の毛が豊富にある若かりしウィリスの活躍を堪能できる一作。

戦争では負けたが、ビジネスでは逆転した。
ぶみ

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