バニーの人物像をその細部の描写の積み重ねで描いているところなどとてもうまいと思います。ただ、それがバニーに偏りすぎています。もちろんバニーの映画ですのでそれはそれでいいのですが、もう少しトーニャなどの描写も同じように描いていればバランスもよくなったのではないかともいます。
ゲイソン・サヴァット監督のインタビュー記事を読みますと、母性についての社会的正義みたいものを描きたかったということのようですが、たとえば過去の犯罪の正当性を多少は見せたり、トーニャの件にしてもバニーが間違っていないにしてももう少しはっきりさせておかないとなかなかバニーに共感するのは難しいと思います。
バニーという人物を好意的に見てほしかったとするなら、エシー・デイヴィスさんに頼りすぎたのが原因でしょう。
映画のつくりはうまいです。
「ネタバレレビュー・バニーキングの正義と社会正義がぶつかる映画でロードムービーじゃないよ…」
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