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百花のcocomilk8o8のレビュー・感想・評価

百花(2022年製作の映画)
4.0
『A Hundred Flowers』
今日からアマプラ見放題配信。

認知症を軸に、端的に蛇足なく母と息子を表現していて良かった。認知の状況はとてもリアリティがあったが、思ったより、綺麗に情緒的に品よくまとまっているので、反対に私は少し客観的に見れたのが良かった。あまりにもドロドロだったら、自分と重ねてしまって苦しくて耐えられなかったと思うから。

認知症になっていく母と、その息子のお話。

さすが川村元気さんと言うべきか。すごく息子の心理描写にリアリティあり、まして、認知症になっている人の状態を分かりやすく表現しているのも見事。(川村さんと同じで、私の祖母も認知症だった。当時認知症という病名もなく、理解もまだまだされてない時代だったから本当に介護が大変だった)

菅田さん好きだが、正直、色々自分と重なる部分がありそうで、見たくなかった作品。でも、配信になったので、やはり菅田さんの演技と、川村さんの作品ということで見ることにした。

菅田さん、原田美枝子さん、長澤さん、素晴らしい演技だった👏

ここからネタバレ感想↓




















泣いたシーン:
母が施設に入ることになり、家を掃除する息子。大量の卵に、ゴミ屋敷家してる家(キッチンや特に冷蔵庫。。。)を片付けていく息子が、100%自分と重なって、息子の気持ちが痛いほど分かって(戸惑いや、情けなさ、怒りと悲しみ等)号泣してしまった💦

母親が毒親だったこと。
それを許せずにいる息子。
でも誕生日に実家に帰ってきて、最後も面倒をみてる。
そこには育てて貰ったという想いがあるから。優しかった頃の、男に走る前までの母の記憶が彼が母親を見捨てず、そばにいるという心情・演出が絶妙。そして、すごく自分とシンクロする。

息子は「ごめん」(ラストのごめんではなく、途中で言うごめん)って言ったけど、なぜにいつも子供が許さないといけないのか。
そこに腹立たしさを覚えたけれど、一つの美談作品としては、綺麗に完結していると感じた。

こんな子不幸な毒親(結局は弱い人で依存症だから周りに迷惑をかける)、正直捨てていいと思うが、最後まで付き合って、半分の花火を見て、息子こそが思い出したくないと過去を忘れていたことを思い出して終わる最後は綺麗な終わり方で好感が持てる作品となっている。

子供はどんな時も親からの愛を感じたいのだ。だからこそ、親は子供を産んだ責任があり、しっかりしろと言いたい。まして最後認知症で都合の悪いことは忘れていくとかどんだけ。。。泉は絶対に幸せになって欲しい!
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