田山信行

ウルトラマントリガー エピソードZの田山信行のレビュー・感想・評価

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トリガーは新たな世代のティガを描くってコンセプトがどうにも足枷になってしまった感が。まだ円谷プロの制作体制が隆盛であった頃のティガへと追随するには今の縮小された枠では限界がある。

限られた枠の中での試行錯誤は前作までのシリーズの方が上手く出来ていた。ティガの再現に甘んずるしかなかった面が足を引っ張った様に思う。ケンゴそのものがウルトラマンだとか闇の3巨人に相対する光を受け継ぐ3人の若者たちというトリガーとしての独自の展開は良かったのだがやはり深みを得るまでの尺が足りなかった。

2クールしかないのに客演回も例年通りあるしで。好評を得ながらも劇場版展開出来なかったウルトラマンZも入り込んで前半はややとっ散らかった印象。またこの劇場版というのも一部のみの公開で小規模なのが残念なとこだが。後半にきっちり光を巡る物語へとテーマを固めてくるところは良い。ケンゴと仲間たちの熱い絆で敵を打ち破る展開は問答無用に素晴らしい。

また新たに光を受け継いだデッカーにおいてはダイナの幻影を追い過ぎることなく展開できていると思うので今後楽しみだ。
トリガーの面々の登場も決定しているのでより逞しくなった彼らを観るのがこれまた楽しみだ。同じユニバースの中でのコラボなら世界観に厚みを増していけるだろう。
田山信行

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