独特な喋り方をする西条くんと女の子たちに戸惑ったのは最初だけだった。よくこの世界観を保ったままゴールしてくれたなあと思う。
まず倉敷がとてもとても素敵。わたしの故郷は北国なので、なんかもう全然違くて、めっちゃ旅行に行きたくなった。乗り物も街も、なんなら一見雑多な西条くんの部屋も好きだった。片付いてる綺麗な部屋ももちろん好きだけど、生活感と物に溢れてて布団があって、でも開け放した窓から風の匂いがするような部屋好き。
わたしは恋の定義なんて大層なことは考えたこともないし、なんなら頭で考えたことなんて理性だから、心で感じたことに従えばいいんだよ!ってちょっと若人たちに偉そうに大人ぶりたくなったけど、
これもまた恋の広義の多分片隅でしかないし、そもそも当てはまってるか分からないし、あれなんの話してるんだっけ?答えがひとつなんて数学くらいしか多分世の中にないんだと思う。人によって違うから、定義なんて大問で、ままならない。ものすごい多面性があって、かと思えばシンプルだったりもする。
西条くんがどんな答え出しても受け入れるつもりだった。わたしが納得できるかどうかは別の話で、彼のアンサーだから。幸せなら良い。良いよ。
しかし、俳優さんたちみんなキャラクターの雰囲気作りが徹底してて上手だったな。中でもやっぱり西野七瀬ちゃん、彼女の声のトーンひとつでこの映画はとんでもない空気にもなったと思うんだけど、軽やかでとてもとても良かった。