ダイゴロウ

生れてはみたけれどのダイゴロウのレビュー・感想・評価

生れてはみたけれど(1932年製作の映画)
3.9
小津安二郎の無声映画。
活弁とフルート&ギターの生演奏つきで鑑賞。

活弁と演奏付きでの鑑賞は初めての経験で、特に序盤は感動していたのですが、良い意味で途中から、活弁も演奏も自然に馴染んできて、純粋に作品に入り込むことができました。非常に良い経験でした。

一家で一番偉い(偉そうにしている)父親が、他の大人にペコペコしている衝撃とショック。
普遍的なテーマをコミカルかつちょっぴり切なく描いた作品。
ただ、会社の役職は「人間の偉さ」とは異なるはずで、家族を養うためにペコペコする父親は、役員に「人間の偉さ」で劣っているわけでもないと思うのですが…その辺りは、もう少し子供たちが大人になってから学んでいくのでしょうか…。