【斉藤由貴とキン骨マン】
金沢知樹監督×草彅剛主演の2022年の作品
〈あらすじ〉
1986年、夏の長崎。小学生の久田はある日、家が貧乏なせいでクラスの嫌われ者だった竹本から思いがけない誘いを受ける。翌日2人はイルカを見るため、久田の自転車に乗ってブーメラン島を目指す…。
〈所感〉
ずっと気になってた作品を初めてNetflixで鑑賞してみた。何よりこのポスターが粋でオシャレですよね。思わず手を触れたくなるパッケージ。20代後半になってくると、学生時代ですら眩しいのに、幼年時代なんて直視できない。昔のことを振り返ると、今思えばなんてことないんだけど隣町まで自転車で行くなんて、普段味わえないひと夏の大冒険でしかなくて楽しかったなぁと思ったりする。きっと本作の草彅剛演じる久田もその事がずっと頭にあって、サバ缶という物が触媒し、過去に誘われたのだろう。旅でのトラブルや仄かな恋心。お姉さんの「あんたホントおっぱい好きやねぇ〜」が的を射すぎている。なんやかんやあって二人の間に友情が芽生えて、大きな出来事もあって、そして別れはあって…多感な少年時代のデータは間違いなく引き継がれ大人になっていく。そして立派な社会人として再会する二人。昔、共有して食べた「サバ缶」の味は今も忘れ難いものであり、店のメニューにサバ缶寿司として名を連ねていた。本作は終始優しい人ばかりで人情味に溢れていているが、『泥の河』のように綺麗事だけでは済まされない貧富の差も描いている。多様で広い、ように見えて狭い社会で暮らすぎゅうぎゅう詰めの日本人の風土・美徳が確かにそこに見えて良かった。竹原ピストルが妻には頭が上がらない典型的昭和オヤジですごくハマり役だった。キン消しのガチャポンでキン骨マンが出ると自分もショックだったなぁと思い出した🤣