コマミー

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのコマミーのレビュー・感想・評価

4.1
【何にでもなれる、あなたの人生の物語】


※fans voice様の試写会での鑑賞





"破産寸前のコインランドリー"を経営する"エヴリン"

彼女の夫"ウェイモンド"は、気が弱く、頼りがいがない

娘の"ジョイ"は、窮屈な家庭環境から抜け出したくてガールフレンドと常に行動を共にしている

エヴリンの父"ゴン"は、厳格でエヴリンの人生を縛り上げていた

そんなエヴリンは、"国税庁の監査官"の厳しい追求を受けてる途中、夫ウェイモンドによって突如、"マルチバースの世界"に突入してしまう…。



まだ試写の段階でいろいろお伝えするのは難しいのだが、まんまと心を打たれた。

一見すると、低予算映画にありそうな"子供っぽい世界観"の作品なのだが、中身を開けたら日本で言う「エヴァンゲリオン」や「オトナ帝国」発表時のクレしん映画、そして今敏作品を彷彿とさせるような"人生についての物語"がそこにはあった。
今、"人生の迷い道"に差し掛かっている人ならば、必ず心に刺さるし、映画的な要素として挙げると、80年代頃の作品が好きな人なら、童心に還って楽しむ事が出来る"大作"となっていた。この世界観を「スイス・アーミーマン」などの"ダニエルズ"は、作り出す事ができ、まさかダニエルズの作品がアカデミー賞ノミネート入りする時代が来たのかと喜びに溢れてる。

"ミシェル・ヨー"の演技ももちろん良かったのだが、"キー・ホイ・クァン"が演じたウェイモンドと言うキャラクター、そして彼自身の演技は拍手を送りたい。ハリウッドからはほぼ忘れられていたに近い彼が見せた演技は、とても人間味が溢れていた。お帰り、キー。

後は是非、皆さんには劇場の大きなスクリーンで本作を観てもらいたい事と、是非ダニエルズの作品を観たことない方がいたら、観てもらう事をオススメする。メッセージ性や作品作りは、結構本作と関連づける事が出来る箇所ばかりなので、観ることをオススメする。

とにかく、驚異的な映像体験でした。
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