近藤りょうや

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスの近藤りょうやのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

おびただしい情報を浴びて、置いていかれないようにかぶりつきで観て、時折、置いていかれてないよね…?と自問自答しながら観ていった末に、暖かい気持ちに包み込まれたので、結果、とても好きな映画でした!!笑笑

マルチバースという設定を利用して、「もしかしたらなれたかもしれない自分」を知り、体験することで、絶対に正しいことなんてこの世にはない。存在する理由なんてない、と虚無の境地にたどり着く。

そうして悟ったあと、力強く、優しく残るのは、紛れもなく「愛」で、それは他の何にも侵されることは無い尊いものだ。

ロジックロジックで思考を巡らせた挙句、「愛」という抽象的で不確実性の高いものでまとめあげる展開は、個人的には大好物です。だから人間は面白いんじゃんって思う。

同時に、映画において論理的整合性を求めるタイプの方には刺さらない、尖った映画なんだろうな~と思いました。


そして個人的には、この映画のタイトルがとても好きです😊

和訳すると、
「全てのものを、全ての場所に、いっぺんに」


これは、この映画のマルチバースの設定をそのまま表したタイトルでもあるし、コインランドリーの運営、家事育児、父親との確執、色んなものに忙殺されて、いっぺんにやろうとしていっぱいいっぱいになるエヴリン自身を表しているようにも感じるんですよね~


勝手ながら、自分と重ねてしまいました笑笑
マルチバースを知らなくても、僕って同時にたくさんのこと心配して思考停止することあるなーとか思いながら、母親の苦悩はわからない部分はあるんだと思うんですけど、エヴリンに感情移入をしていました。


ウェイモンドみたいな優しい心で包み込めるような人になりたい。


ロケーションが国税局だけで話が進んでいくのにスケールでっかく感じるのもすごいし、画的に美しいカットもたくさんあって、楽しめました!