みなと

すずめの戸締まりのみなとのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

〈追記・11/18・11/26鑑賞〉
ダイジンは要石から解かれた際、
何故逃げたんだろう?とずっと疑問に思っていたが、もしかしたら、ダイジン、サダイジンは元は人間(とじ師)で何百年も掛けて神になった存在なのかと考察。
そしてダイジン、サダイジンって親子だったのかな?
サダイジンに話しかける草太の祖父、知り合いに話しかける印象だったし。

イスに足が3本しかないのは、人間って完全じゃない、誰かがいるから前に進める、生きられるという、「人間」のメタファーではないかと感じた。

より添いや共感によって、救われることはあるが、より深く傷ついている人って、同じ体験をした、同じ風景(ものの捉え方)を見ている、精神の在り方が同じ同士でないと救われない、声が届かないこともあるのではないかと思った。また最終的に自分を救う、前に進ませるのって、結局は自分自身なんだなと。

万物の中で人間は生かされているという概念好き。

初見じゃ良さ分からなかったけど、芹澤よいキャラだったな。
噛めば噛むほど味が染みるスルメキャラだと思う。2回目鑑賞以降、ツンデレっぷりが可愛い過ぎてヤバい!!となった。

頭からシーン通りにアフレコしたのかな?
序盤の草太の芝居は違和感があったのだが、中盤から終盤にかけては上手くなっていたなと思った。

クライマックスの草太の「生きたい」の件のシーン好きだし、何よりそこの松村北斗の芝居にめっちゃ心揺さぶられた。

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端的に言えば土地版『悼む人』
主軸としては311のレクイエム要素が大きい印象。

関東在住の自分からすれば震災から10年経過したし、過去の出来事として日々生きていくことができるが、東北で実際被害に遭われた方がこの作品を観たらどう思うのか?という不安はある。まだ震災をエンタメとして昇華させるには時期尚早な気もする。

個人的にはエンタメとして面白かったし、鈴芽とイス草太のコミカルなやりとりは微笑ましかった。
シリアスなテーマだが、ファンタジックでもあるしロードムービー要素は現代劇でもあり、色んな要素がありつつもバランスが良かった。作風自体も前2作より好き。

廃れた場所にも、確かにかつては人々が生きていて日常があったんだよなと、この作品で改めて気づかされたし、そこに目をつけた新海誠をクリエイティブさには尊敬する。

主人公達の感情や行動、選択が閉塞した今という時代を映しているような気がして、今はこういう作品が求められているし好まれるのだろうなと、しきりに時代だな…と心の中でボヤいてしまった。

不可抗力な出来事で傷つき塞ぎ込んでも、日常は地続きにやってくる。
しかし、傷を塞ぐことはできなくても、誰かがそんな凍った心を溶かして、明日を生かしてくれる。そんな作品だと感じた。

鈴芽、草太とお互いそれぞれ特別な感情を抱いており恋愛ストーリー的な要素も織り交ぜてはいるが、多分この二人最終的は結ばれないと思う。お互い生涯特別には思っているんだろうけど、別々の人生歩んでいそう。(←完全なる個人の妄想です)

RADはもうお腹いっぱいなので、これで起用を終わりにしてほしいし、神木くんの別キャラのキャスティング起用も未だに何で?となっている。
劇伴が個人的に微妙で、劇伴によっての心の揺らぎみたいなのが、全く得ることが出来なかったのが残念。

「ルージュ伝言」流れた時には、魔宅始まったのかと思ったし、鈴芽と草太が手を握った際にはバルスやるのかと思って(笑)心ので大爆笑。

元々、松村北斗の声と芝居が好きで、今回のキャスティングに大歓喜したのだが、声優でも良い声だったし、芝居も良かった。
イスになってからも、イスのビジュアルの可愛さと草太の声のミスマッチさに味があったし、最終的には可愛いわー!!となった。
みなと

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