たつ

すずめの戸締まりのたつのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

本当に楽しみにしていた、新海誠監督の最新作。

個人的に、「君の名は」からの、「天気の子」が本当に刺さったので、そこからどんな話を作ってくるのか楽しみにして一本。

個人的には、凄く良かったです。

そして、点数の付け難い作品。

終わった感想は、「必ず、賛否がある作品であるし、捉え方が違う人は必ずいる作品。」であるということ。

東日本大震災をテーマの一つとしていた事がその大きな要因であるけれど、その点に関して注目度が高い映画である事もあり、暗に明言する形で事前情報で試写会辺りからSNSで公式からの注意喚起がされていた。

正直、覚悟していた以上にとてもしっかり触れていた事、そしてそこに「美談」を作らなかった事がとても現実を見せていて、良かった。

トラウマを持つ人を誘発させる、フィクションで通してほしかった…という感想も見受けられるけれど、新海誠監督作は、女性像や恋愛描写に幻想や理想像が過度に登場する印象はあるものの、秒速も、言の葉の庭の中の問題も、天気の子の中の危うさも、ずっと考えうる現実の中の問題は設定に反映されていて、とても現実主義な作家性があると思っている為、一つさらにフェーズを上げてきた感を凄く感じた。

すずめを救ったのは、母ではなく、大人になったすずめだった事。そこに含まれていると思われるメッセージが色んな人に伝われば良いなと思った。

正直、東日本大震災から10年で、テーマにした映画が少し増えて、その中で若干の押し付けがましい死生観の美談も少なくない。
そこをちょうど思った中で観た映画で、とても納得が出来た。
きっとこの危惧がSNSで回る事も、覚悟の上であったと思う。それを危惧されるほど、覚悟がある映画だと思いました。

是非、もっと細かな話を人と話したいです。
たつ

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